白を入れたのに、なぜ色が透ける? — アクリルUV印刷のオーバープリント・アルファの落とし穴
透明アクリルのキーホルダー・コロット・スタンド・スマホグリップを作るとき、色が薄く透けて出る原因が白の下地(白引き)にあることは、今ではある程度知られています。だから多くの人は白を入れます。それでも仕上がりはやはり色が透けます。あるいは逆に、シート全体が真っ白に覆われて出てくることもあります。
確かに白を敷いたのに、なぜこうなるのか。画面では問題なかったのに。これは白を「入れたか」の問題ではなく、「どう入れたか」の問題です。そして、ここでほとんどの人が同じ2つのミスをします。
この記事の前提。 なぜ白の下地が必要なのか、製品の面(片面・逆版・両面)によって白がどこに入るのかは、別の記事で扱いました → 透明アクリルの印刷に白インクは必要ですか?。この記事はその次の段階、つまり「白を入れたのに失敗する」原因だけに絞って扱います。
ミス1 — オーバープリントがオフになっている(ノックアウト)
印刷ファイルで2つの色が重なると、既定の動作は、上にある色が下の色をノックアウト(knock-out)することです。下に穴を開け、その場所を自分が占めます。紙の印刷ではこれが正常で、必要な動作です。
ところが白の下地では、これが事故を起こします。白を色と重ねて配置し、オーバープリントをオンにしないと、白とカラーが互いをノックアウトし合い、重なる位置に穴ができます。印刷・カットの工程で版がわずかにずれる(見当ずれ)と、その穴を通して光が抜け、色が透けます。逆に設定がこじれると、白が形状を無視してシート全体に敷かれ、真っ白に覆われることもあります。
解決は、白にオーバープリント(overprint)をオンにすることです。オーバープリントをオンにすると、白は下の色をノックアウトせず、別々の層として共存します。色は色として、白は白として、それぞれの版にそのまま残ります。
ミス2 — 白をアルファ(不透明度)として扱う
2つ目のミスはもっと見えにくいものです。白をインクチャンネルではなく、不透明度(opacity・アルファ)やブレンドモードで扱ってしまう場合です。白い図形を描いてから不透明度を調整したり、画面上で色と合成されるように重ねたりする方式です。
画面ではこれが不透明な白とまったく同じに見えます。だから「うまくいった」と通り過ぎてしまいます。問題は出力直前、ファイルを平坦化(flatten)するときに起こります。アルファで扱われた白は、その時点でCMYKの中に統合されてしまうか、特色チャンネルとして残りません。その結果、RIP(出力機のソフトウェア)が「ここに白インクを打て」という信号として読み取れません。白インクがまったく打たれず、色は再び透けます。
白は画面上の合成効果ではなく、物理的に噴射される白インクです。だからファイルの中でも、それにふさわしい形態 — RIPが白インクとして認識する独立した特色(Separation)チャンネル — として存在しなければなりません。不透明度ではその信号は伝わりません。
なぜこの2つのミスは画面で見つからないのか
2つのミスには共通点があります。モニターでは問題なく見えるということ。
- オーバープリントは、ほとんどの編集ソフトで画面シミュレーションが既定でオフになっています。オーバープリントプレビューを別途オンにしないと、ノックアウトの穴は画面に表示されません。
- アルファの白は、画面上では不透明な白とピクセル単位で同一に見えます。目では区別できません。
つまり、どちらの場合も出力段階、RIPに行って初めて問題が現れます。制作者は「確かに白を入れたのに、なぜこうなる」と慌てることになり、原因を画面で見つけられないので、再作業だけを繰り返します。これが、このミスがそれほど多いのに、あまり知られていない理由です。
確認方法。 出力前に、ターゲットのRIP、または編集ソフトの特色プレビューで、白の版だけを単独で表示してみてください。白が (1) 独立した特色として認識されているか、(2) アートワークの形状どおりに敷かれているか、(3) 版全体を覆っていないか — この3つを目で確認すれば、2つのミスとも事前に取り除けます。
正しくやるには(そして、なぜ手作業では地獄なのか)
整理すると、失敗しない白の条件は3つです。
- 独立した特色チャンネルとして存在すること(RIPが白インクとして認識するSeparation)
- オーバープリントがオンになっていること(カラーをノックアウトせず共存)
- アートワークの形状と正確に見当が合うこと(境界まで、そしてはみ出さないように)
原理は3行ですが、これを一つひとつのデザインに手で合わせるのは別の話です。特色スウォッチをルールどおりに作り、すべての白オブジェクトにオーバープリントを漏れなく設定し、アートワークのシルエット境界まで白の形状を正確になぞり(半透明の境界・細かな凹凸を含む)、はみ出しを防ぐためにわずかに縮める(チョーク)必要があります。1日に何十もの異なるデザインが入ってくる制作環境で、これを人が毎回正確に維持するのは現実的に持続不可能です。1つ間違えるだけで、その製品は再作業です。
Pressriaのアクリルソリューションはこの工程を自動化します
Pressriaのアクリルソリューションは、上の3つの条件に人が手を触れなくて済むように設計されています。デザインを入れると、エディターが自動的に:
- RIPが白インクとして認識する独立した特色チャンネルとして白を生成し、
- アートワークの実際の形状に正確に見当を合わせた白の領域を作り、
- オーバープリントを正しく適用してカラーをノックアウトしないようにし、
- 白・カラー・カット線をそれぞれ分離したレイヤーとして構造化し、出力ファイルとして書き出します。
つまり、「オーバープリントをオンにしたか?」「この白は特色として残るのか?」といった問い自体が消えます。制作者はデザインに集中し、画面では見えないが出力を左右するこの層は、パイプラインが正確に処理します。
まとめ
透明アクリルに白を入れても色が透けるなら、原因はほぼ必ず2つのうちのどちらかです — オーバープリントがオフか、白をアルファとして扱ったか。どちらも画面では見えず、出力でだけ破綻するため、原因が分からないと再作業を繰り返すことになります。
白は「特色チャンネル + オーバープリント + 形状の見当合わせ」という3条件を同時に満たさねばならず、これをデザインごとに手で合わせるのは、制作規模が少し大きくなるだけで破綻します。だからこれは、知識として知っているのとは別に、自動化されるべき作業なのです。
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